ボーダーラインと携帯小説の世界

精神病患者達と携帯小説が好きな人とアニメ類が好きだったり、料理好き用

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翼5

 ああ、とだけ返事をして見送った。その背中は淋しげだったが、それが一体どれだけのことを気にかけてそうなったのかは分からなかった。
 まだ誰かほかにもいたような気がする。そう思い当たり、捨てようとしていたアルバムを広げてみると一人の少女が頻繁に写っていた。それには、「由美ちゃんと公園にて」と書かれていた。
 由美。確かにいたような気がする。だが、いつどこで会った? どうしてその少女のことを忘れていたのだろうか。
 きっと、ずっと仕事のことだけを考え、ただひたすらに働いた代償なのだろう。だが、それでかまわなかった。仕事以外の過去など今の秀樹にとって何の価値もない。母の願いと父の遺言を除いて。
 いくつか不明点は残るが、置物を取っておくことにした。取っていても意味がないのだが、これだけは捨ててはいけない気がした。あまりに神秘的なその置物との出会いは、非情で通っている秀樹の心を動かした。
 引越しの準備がほとんど片付き、あらかじめセットしていた携帯のアラームがなった。
 今日の壮行会の時に見合いの話を勧めさせてくれと秘書に言われていることを思い出した。これまで何度かそんな話が持ち上がったが、そんなことしなくても、いずれ実力で本社にいってやると息巻いて突っぱねて来た。吸収合併を機に、父を超えなければいけないという思いはそれ一点になっていた。
 念願の本社役員になって、これ以上意地になる必要はない。更なる飛躍を目指すならむしろ後ろ盾があった方がいい。
 今回は新任地の重要な取引先の社長令嬢だ。願ってもないチャンスである。ただ、何故四十過ぎた男とくっつけたがっているのか、ほかに条件がそろう有望な人間がいないのか、 それとも彼女に問題があるのかという疑問点が残る。慎重に話を進めるべきだろう。
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  1. 2009/04/29(水) 09:26:06|
  2. 携帯小説
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

さやうまさんへ

捨てすぎた男の生涯とただ一人を愛し続けた女の物語。
私、精神年齢40~50だからw
  1. 2009/04/29(水) 22:22:01 |
  2. URL |
  3. たけ #-
  4. [ 編集 ]

えーっ

この秀樹さんは40すぎなのー???
中年の話とは言ってたけどマジで???

  1. 2009/04/29(水) 09:34:05 |
  2. URL |
  3. さやうま #qZjO.u1.
  4. [ 編集 ]

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