上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- --/--/--(--) --:--:--|
- スポンサー広告
-
-
岩田は吸収合併の際、本社の指示で当てられた秘書だ。本社は有能な秘書をやったからきちんとしろとでも言いたかったのだろう。嘗められているというのが一番腹が立った。
「社長は優秀です。私は足手まといにならないように必死になって、社長を見て育ったようなものです」
秀樹はそう謙遜する岩田の端正な横顔を盗み見た。この男の明晰さに何度空恐ろしいと感じたことか。
書類の内容には、相手は日本人で長谷川香織といい、大手経営コンサルティングの一人娘。ご令嬢ならではのじゃじゃ馬だが、親の長谷川博は秀樹の経営者としての実力を求め、願わくば社の進歩に一石を投じて欲しいというのが本音のようだ。
「向こうはトラがトラの威を借る狐になってるな。うまくいけばおまけがついてきそうだ」
食うか食われるか、まさに互いの技量によって戦況が変わるこの状況は、秀樹にとっては興奮と快感すら感じた。
「そういえば、お体のほうはいかがですか」
岩田は衝突に秀樹に尋ねた。何のことかと思ったが、恐らく最近のせきの事だろう。だが、そんなことをいっている場合ではない。大丈夫だと言って話を打ち切った。
「社長、到着しました」
運転手の一言を合図に車窓から外を見る。ひときわ高い都内のホテルが秀樹を出迎えた。いや、送り出すにふさわしいものを用意したと言うべきか。
ロビーに入ると、連絡を受けた部下達が出迎え、会場内はすでにほとんどの面子がそろっていた。
一斉に来場者の視線が集中する中、いち早く動いたのは見合い相手の親である長谷川博だった。
「主役の登場だね。はじめまして、長谷川博だ」
そう言って名刺交換する様は、やはりうまく丸め込もうと言う魂胆が見え隠れしていた。頭を下げて様子盗み見、にやりと笑った秀樹に長谷川は気が付かなかった。
スポンサーサイト
- 2009/05/02(土) 08:46:59|
- 携帯小説
-
| トラックバック:0
-
| コメント:5
>名前とかどうやって考えているんですか???
家族で出る人や、外国人はよくある名字ランキングや、有名人などの名字を使って、合う名前をこれまた年代別よくある名前ランキングで。
家族出なければ、年代別よくある名前ランキングやアニメなどのパロディ。
>発想がよく思いつくなあと。
ニュースやアニメを観て、内容とはちょっと違うのですが、閃いたフレーズを携帯にメモして膨らませます。
>題材集めも大変でしょう…
私もいつもありがとうございます♪
>楽しみにしてますよ☆
励みになります♪
- 2009/05/02(土) 10:57:56 |
- URL |
- たけ #-
- [ 編集 ]