ボーダーラインと携帯小説の世界

精神病患者達と携帯小説が好きな人とアニメ類が好きだったり、料理好き用

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”この手で掴みたいものは……”5

陸にとっては中学三年生の最後の絵画展覧会の日の夕方、そのケンカは起こった。

事件の朝、陸と大輝が展覧会の会場で出くわした。
「大輝、今回は僕が勝つよ!」
「さて……どうなることやら」
「……なに? それ……?」
「今回は自信が無くて」
「勝負は勝負だからね!」
「ハイハイ……」
大輝は、手をひらひらさせる。

季節は、早春木々が萌え始めていた。
風は肌寒いが、僅かに湿気を帯び、肌にまとわりつく。
緊張して外に飛び出した陸を待っていたのは、海風による洗礼だった。
「寒っ!」
思わずつぶやいた時、どこかの女の子が吹き出した。
声の主を探す陸に、舌を出して頭を小突く、小学生中学年ほどの娘。
こんな小さな子に怒る気もせず、うなだれる陸。
「ごめんなさい。絵を観に来たけど、お母さん達とはぐれちゃってテンパってたそばから、間抜けな言葉が飛び出したから」
「間抜けかい!」
そんなこんなで、いつか小学生の女の子の絵としてモデルになってもらう約束をして、名前を教え合って、連絡先を教え合って別れた。
その娘の名前は、中原舞。
「可愛く描いてね」
そう言って、後ろ手に組んで振り向く舞の笑顔は、弾けるように明るく、夏を連想した。今年、ひまわり畑でモデルになってもらおうと、陸は思った。
花嫁が”舞い”降りたような……そう、ピカソの花嫁を連想し、運命のモデルだと思う。
これから先の運命にも気づかず。

一方絵の授賞式では……。
陸が優秀賞、大輝が大賞だった。

その夕方、大輝に言われた一言は、陸に重くのしかかる。
「わざと負けようか?」
陸の胸に、心に、刺さった棘(トゲ)のように心に残り続けていた。
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  1. 2009/06/08(月) 00:17:01|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

さやうまさん、怒るな、キケン(標識か!

>大輝…言葉!
大輝は将来、東京芸術大学に行くかもしれません。通常科目で言う、東大ですね。

>陸…応援したくなる。
展開が、なぜ一本道なのか、もうすぐ分かります。
  1. 2009/06/08(月) 15:41:01 |
  2. URL |
  3. たけ #-
  4. [ 編集 ]

おいおい

大輝のやつ、チョー自信家じゃん。むかつくねーその言葉!
陸ーまけんなよー!!!
これ、まじ陸の方、応援したくなる。
  1. 2009/06/08(月) 14:06:07 |
  2. URL |
  3. さやうま #qZjO.u1.
  4. [ 編集 ]

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