ボーダーラインと携帯小説の世界

精神病患者達と携帯小説が好きな人とアニメ類が好きだったり、料理好き用

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”この手で掴みたいものは……”6

展覧会の夜。
陸は、大輝と差をつける特訓をしていた。
どうすればいい?
どうすれば?
もっと青を……
もっと……もっと!
陸の父、誠がドアの開いた部屋をノックせずに入った。
「止めろ!」
「なんだよ、止めるなよ、お父さん!」
陸は、誠を睨みつけ、再びキャンバス(紙)を見る
誠は、尚(なお)も続ける。
「俺には……お前がムキになってるように見える」
誠は拳を握り締めながらも、うなだれる。
陸は陸で、歯を食いしばり、筆を持つ手が震える。これでは、続きが描けない。
「本気で描いてるだけだよ。なんだよ、絵のことなんてわからないくせに!」
誠は、わずかな声で、「こんな状態で、お前は幸せなのか?」とつぶやいた。しかし、その声は、窓から漏れる風のせいで届かなかった。
「絵のことはわからない。だが、息子の心理状態くらいわかる。今のお前は、見てられない……」
今度こそ、陸は全てを否定した。
「五月蝿い!(うるさい)」
そう、全てを否定したのだ。
「陸、絵を……止めるんだ。このままじゃ、お前は壊れてしまう」
誠は、すでに父としての威厳を失っていた。暴走した息子を前に、救いの手すら届かない。仮に届いたとしても、危うい均衡(きんこう)も良いところ。すでに救う術(すべ)が無いことに、父は気づいていた。
とんでもないことになってしまったと、後悔した。
「五月蝿い、五月蝿い……五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い! ヤツに勝つまでは、止めない!」
陸は、イーゼルを壊し、絵を破って捨てた。
その絵は、皮肉なことに、今までで一番うまかった。

絶望の中、震える手で部屋から出る。
そういえば、モデルになってくれると展覧会で会った女の子いたことを思い出したからだ。
そして電話し、練習に協力を頼もうとしたが、つながらなかった。
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  1. 2009/06/09(火) 07:22:12|
  2. 携帯小説
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

さやうまさん、こちらこそ

小説ご愛読ありがとうございますm(_ _)m

>なぜかもうすぐわかるって?
ちょっとずつ流れが変わります。
  1. 2009/06/09(火) 09:46:27 |
  2. URL |
  3. たけ #-
  4. [ 編集 ]

おはよう

小説更新ありがとう。
なぜかもうすぐわかるって?
そりゃあ楽しみだ。
  1. 2009/06/09(火) 09:37:46 |
  2. URL |
  3. さやうま #qZjO.u1.
  4. [ 編集 ]

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