ボーダーラインと携帯小説の世界

精神病患者達と携帯小説が好きな人とアニメ類が好きだったり、料理好き用

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父と精神病の娘と結婚と13

入院期間は、適度に人と話すように気をつけたが、もうすぐ結婚できると思うと、連射銃のように言葉を当たり構わず浴びせかけ、看護師に、
「百合子さ~ん! ちょっと休憩しようか~? 話足りないなら、声のトーンを小さくして、俺達に話してくれるかな?」
と言われる。
百合子は、ハッとし、シュンとして部屋で読書をする。
題名は、”東大教授が語る、話し上手は聞き上手”とか、”誰でも分かる論語”。とにかく、コミュニケーションは学習と実践だ。

その甲斐あってか、四カ月で退院できた。三カ月目が近づくと、力が空回りして発作が起こしやすかった。
と、言っても発作は例えば自傷衝動や、落ち着きの無さなどを改善する薬。院内なら、ナースステーションで とん服を飲んで三十分ベッドにこもって治るのを待てば良い。

百合子は、洋介を信頼してないわけではないが、入院二カ月目には、女性患者に自分の何が良いか聞いて回った。
「ちょっと暴走するけど、話してて楽しい」とか、「向上心ある」とか「無気力って日が無いよね。……え? あるの? ごめん、まったく相手を不安にさせない、気遣いが見えるよ」などなど。意外と高評価だった。

入院中、外泊する時は洋介の家に帰った。
父は義母と離婚するから家に来ないか? と言い出すが、百合子は、
「そのまま洋介のアパートに住む」
と断言した。
洋介が夜中寝ている時、女の無聊(ぶりょう)を癒やすように自転車でまっすぐの道を駆ける。
”昔は”、大声で「あーー!」と言いたくなるほど震え、笑いたくなるような、泣きたくなるような開放感と虚しさが、空気が、平らな胸の中を通り過ぎた。
どこへでも行けるような、行けないような。自由なのか不自由なのか?
でも。
”今は”帰る場所は、ある。
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  1. 2009/09/10(木) 00:10:52|
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