ボーダーラインと携帯小説の世界

精神病患者達と携帯小説が好きな人とアニメ類が好きだったり、料理好き用

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

父と精神病の娘と結婚と16

百合子は、両親は結婚式に呼びたくないと言った。
だが、洋介の強い要望に負け、
「形だけよ? 私は顔も見たくないんだから」
と、百合子は しぶしぶ結婚式の招待の電話をした。

義母からは
「お父さんは胃ガンで入院中なの」
と言った。疲れきった声だった。病気になった生き物の近くにいる生き物もまた、病気になる。それは植物でも人間でも同じだ。

百合子は
「天罰が下ったのよ……」
とさめざめ泣いた。
自分でもよくわからない感情が、腑(はらわた)をかき乱す。

百合子は当然のように、洋介に半ば強引に面会に連れて行かれる。

しかし、移動途中の電車の老人が、ハガキを手に溜め息をついているのを洋介が見た。
どうやら、結婚式の招待状らしい。今度は頭を抱えていた。

気の良い洋介は、声をかけまいか悩んでいた。
そんな洋介に百合子は笑いかけ、老人の横に座り、洋介を手招きした。
改めて周りを見ると、車内はがら空きだった。

洋介は、
「どうなさったのですか?」
と、小さな老人に声をかけ、百合子の反対側に座る。
百合子は、老人に微笑む。

左右を交互に見て老人は、震える手でハガキを指差す。
「実は、四十五歳になろうとする娘が初の結婚をするのですが、育て方を間違えて苦しませてばかりの娘の顔を見る……まして、幸せな席に座るのが怖いのです」
と語る。
百合子と洋介は、顔を見合わせた。

すると老人は
「いや、失礼。名乗ってもいませんでしたな。平川平蔵という、情けない名前なんです。再婚で婿(むこ)に入りましてな。もとは中川平蔵。やっぱり大地のような名前です。しかし、親というのは願掛けが好きでな……」
と、大分饒舌(じょうぜつ)な老人は、また自嘲(じちょう)する。
スポンサーサイト
  1. 2009/09/13(日) 00:07:57|
  2. 携帯小説
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<鶴屋さん可愛いよね | ホーム | アニメ エレメントハンターを観て>>

コメント

あみちゃん さん

>知られたくない人…地域にもよるみたいです。
なるほど……地域によるのですか……。

>大阪…会社みたいな看板をあげているところがあります。
紛らわしいw
私の予約してあるグループホームなんか、完璧中小企業です。しかも山の中。
  1. 2009/09/13(日) 19:15:12 |
  2. URL |
  3. たけ #-
  4. [ 編集 ]

知られたくない人が、多いようですね

啓蒙活動ということですすめていますが、地域にもよるみたいです。

大阪だと北区の施設でふつうの会社みたいな雰囲気で会社みたいな看板をあげているところがあります。
  1. 2009/09/13(日) 18:47:22 |
  2. URL |
  3. あみちゃん #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://take10005achi3fu8.blog56.fc2.com/tb.php/549-b90a7a25
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。