ボーダーラインと携帯小説の世界

精神病患者達と携帯小説が好きな人とアニメ類が好きだったり、料理好き用

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父と精神病の娘と結婚と20

あの頃は、せわしない仕事をして気を紛らわせたかった。家から出たかった。ただ、それだけの理由でパン屋を手伝った。
しかし、たまに暇になると、鬱モードに突入するか、ぼーっと日がら空を見上げ、妄想に走ったり、人生について考えた。未来ではない。振り返り作業。あの時、なぜあんな仕事をしたのか……。当時百合子にも、分からなかった。
理由は後付け。深層心理の闇の中にあって、今だからこそ解(わか)るのだ。

「私も病気について勉強してました」

知らなかった。父は私の全てを否定してるようにしか、見えなかったから。

「しかし、働かせたのがいけなかった。荒れ果ててすっかり忘れてましたが、娘は幻覚が見えていたのです。
ついには、パン屋の主人にケガをさせた……。と言っても、軽症ですが、ケガはケガ。私達は責任を取って退職させ、娘は精神病院に処置入院しました」

老人は、深い溜め息をついた。長かった謎解きの答えと直面して、足踏みしていた。

「本当に娘には申し訳なかった。」
うなだれる老人にかける言葉を知ってるのは、百合子だけだ。しかし、踏ん切りがつかない。決心が足りない。

「病気の名前は統合失調質人格障がい。私達は絶望しました」

私は、と百合子は思う。爆弾を抱えていた。だから、爆発する日がバイトの頃だった。
しかし、それが父を泣かせていいはずがない。

「人生に成功という最善の選択肢が無いことを悟ったのは、その頃……。私が四十五歳頃の話です。私の天命は、あらゆる障害を娘から取り除くことではなく、娘が”自(みずか)ら”障害を取り除くように育てることだと考えました」
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  1. 2009/09/17(木) 07:37:28|
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