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狂気と芸術の交差する街
第7章 ~休息~4回目
●二日目
まずはコロッセオ。
「いや~、いいねぇ~! コロッセオ! イエィ!」
ハシャぎまくってる女一名。
「キアーラなら優勝狙えるかもね」
「馬鹿野郎、剣なんざ使えねぇんだよ」
使えたら、やってると言いたげ。エイジはどうにも苦笑するしかない。
「入場できないのがつらいよな~……無理やり入るか♪」
「ちょっ……まっ!」
キアーラは我が意を得たりと笑う。
「芸術は壊さねぇよ」
ホッとしたのもつかの間、バスは次の目的地に向かう。
真実の口広場のあるサンタ・アリア・イン・コスメディン教会。真実の口は、嘘つきは手食べられるっていう言い伝えがある。
六世紀にギリシア人のために建設された教会。ロマネスク様式……つまり、繊細な帯状装飾、念入りに装飾されたファサード(正面)をもつ端正な建築技法が美しい。このロマネスク様式は、十一世紀末から北イタリアを中心に広まったため、この技法は当時珍しかったかもしれない。
「なんであたしがこんなとこにいるの?」
キアーラは口を尖らせる。
「キアーラの片手食べてもらってみようかな、と」
「悪かったな、ウソつきで」
エイジは笑いかける。
「そんなでもないさ」
「え……?」
「噛み砕いたりはしないだろ」
「後で覚えてろ」
それだけ言って、キアーラは去った。
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- 2009/11/12(木) 10:16:50|
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